2016年7月29日
インデザインで作ってみましょう。
まずは前準備です。仕上がりの大きさをきめます。
前に説明しました天地(上下)小口のどを(左右)決めます。簡単にいうと文字の入れる位置を決めておきます。
何ページでおさめるのかを暫定で決めておきましょう。
印刷することを考えて、4の倍数で設定します。
何故4の倍数なのか。紙を二つにおってみましょう。そうすると、4ページになりますね。これが基準となります。5ページや7ページのような奇数になると紙を一枚差し込んだり、くっつけたりしなかければならず、印刷するととてもコストの高いものになります。自宅のプリンターなどでプリントアウトする場合は片面1枚づつでも、最後に印刷する場合は「4の倍数で収まるように」と覚えておきましょう。
天地のど小口をの設定はページ数が多いときほど大切になってきます。ページが少ない場合は文字が見えなくなるなどのトラブルはありませんが、本のような何百ページとなると閉じられたところで見えなくなる場合があるので十分注意しましょう。
文字を組む前に文字の大きさの参考といたしまして、大手新聞の文字の大きさは1行11文字8ポイント(12Q)です。1文字約3mm。新書の基準は9ポイント(13Q)約3.25mmです。年配の方に配慮するなら10P(14Q)10.5P(15Q)が大きすぎず、小さすぎずというところでしょうか。
段組みについて。
A6などの小さい冊子なら気にならないと思いますが、A4やA3はここの段がないと、間延びした印象になるので注意しましょう。
文字の大きさにもよりますが、1行が長過ぎたると読みづらいので2段もしくは3段にします。段と段の間は狭すぎるとこれもまた読みづらくなるので注意しましょう。
インデザインでは段を作るとき、自動に設定することもできますが、小説のような読み物ではないかぎり、ボックス同士をつなげる方法が初心者には扱いが簡単です。
写真や図形などの下などに入っている説明文(キャプション)は4ポイント以下にならないようにしましょう。約1 mmです。これ以上は文字が読めなくなりますので気をつけましょう。
文字が何文何ポイント(Q)で何文字になるのかあらかじめ決まっているのなら計算してみしょう。1p=0.352mm 1Q=0.25mm
2016年7月22日
組版は大きく言えば文章をきれいに見栄えよく読みやすくする作業工程の一部です。
ワード等のワープロソフトでも組版はもちろんできますが、書体や、文字間の詰める作業、禁句処理(句読点などが行頭にこないようにする作業)をしても、いざ印刷会社で印刷する時に、文章が崩れてしまったり、文字がなくなったり違う文字になっていたり、苦労して作ったのにレイアウトが崩れてなどのトラブルになることもあります。
その点、インデザインは組版(文字組)に特化していますので安心して作業ができますし、本や冊子を作る上で便利な機能もついていますので、会報などを作ることになったらインデザインで使ってみてはいかがでしょうか。
「組版」まさしく文字を組む作業になります。
ワープロソフトなどは自動でしてくれたりもしますが、インデザインは少々設定が必要となります。文章をきれいに見せるためですので、めんどうかもしれませんが参考にしていただければと思います。
まず版組で、「つめ打」と言われる作業があります。指定された範囲内にそれぞれ違う文字数の物を行頭と行末で揃えると作業です。
インデザインだけでなくほかのソフトにも両端揃えという便利な機能がありますが、それぞればらばらな文字の空きになってしまうことが多々あります。特に名簿などは見苦しくなりますのでここではつめ打を理解しましょう。
名簿などでよく使う7文字どりです。
4文字で名字と名前が構成されている場合が多いのと、6文字のかたににも対応できる一般的な組み方です。やり方は簡単。
文字と文字の間にスペースを入れて調整します。均等割りです。
鈴木一郎 →鈴 木 一 郎
小泉今日子→小 泉 今日子
北野武 →北 野 武
王貞治 →王 貞 治
6文字以上の場合が無い場合は、5文字取りを使う場合もあります。
鈴木一郎 →鈴木 一郎
小泉今日子→小泉今日子
北野武 →北野 武
王貞治 →王 貞治
場合によっては、10文字の中に7文字取り、
10文字の中に5文字取り、など出てきます。その場合は文字の大きさを数値化してカーニング等(文字の間の数値)で揃えます。その際の数値の計算の仕方などもありますがそれは次の機会に。
いままではなんとなく文字の大きさを変えていると思いますが、文字の大きさにサイズ(単位)があるというこことを覚えておくとのちのち便利に使えます。
文字の大きさは現在、ワープロソフトが多く使われていますので、ポイントを使うことが多いと思います。
インデザインを使うことになり、「級数って一体何だか解らない」とならないようにここで少し説明いたします。
級「Q」数とは日本独特の写植で使用された単位です。行の間隔はポイントで使用する場合はポイントで出て来ますが、Q数の場合は『歯』といいます。これは昔歯車で送られていたことから歯と言われるようになりました。ちなみに1歯も1Qもミリにすると同じになります。
何故複数の単位(パイカと言う単位もあります。)存在するかというと、欧文では固有の巾を持っています。ところが日本の文字は多くは四角に収まる均等な文字であったため、欧米の印刷技術は日本の文字には合いませんでした。日本語にあうように独特な進化をしてきたのが日本の写植です。
のちに出てきますが、Q数、ポイントとも文字を奇麗に見せるためにmmに置き換えて入力する場合が出てきますので、1級=0.25mm 1P(ポイント)=0.352mmです。
2016年7月15日
インデザインを使うにあたって、色々な用語が出てきます。随時紹介していきますが、これだけは最初に覚えておきたいものをご紹介したいと思います。
トンボ イラストレーターやインデザインでは「トリムマーク」といいますね。
トンボは印刷の際の断裁、印刷したものを仕上げて切る目印になります。
その後の印刷工程において仕上がりに大きく影響したので非常に大事なものでした。トンボテープというものがあったりしましたが、手動ですので想像するだけでも大変な作業ですね。
トンボ(トリムマーク)の無い印刷データはあり得ません。(仕上げられないので)
最初に設定してしまいましょう。
塗りたし
塗り足しとは、仕上がりのサイズよりも外にある、切り落とされる部分のことをいいます。フチなし印刷(紙端まで色を印刷したい場合)には、この塗り足しが必ず必要となります。
何故この塗りたしが必要なのか。
紙は湿気などで伸び縮みします。断裁(印刷したものをまとめて切る)とき、わずかな誤差が出たりします。例えばA4。このA4のサイズぴったりに作ってしまってこの塗りたしをしないと、少しズレただけでも紙の色が出てきます。少しだけまたはどこかの箇所だけ、縁ができてしまうのです。縁なし印刷にならなくなりのです。これを避けるためにフチなし印刷したい場合は必ず必要なのです。
冊子の部分の名称
冊子にはいろいろな部分で用語が使われます。
背中にあたる部分を「ノド」、その逆側の開く部分を「小口(コグチ)」といいます。
この画像の冊子は、「ノド」の部分を糊で固める「無線綴じ」という方法で作られていますが、本文を開くとノドの部分の絵柄が数mm見えなくなってしまうため、印刷内容の制作段階であらかじめ注意が必要です。冊子に使う紙の厚さやページ数によっても隠れる部分の幅が変わってきます。
「ノド」の反対側を「小口」と呼びます。
上下の事を「天地」(てんち)と呼びます。例としましてメモ帳などで上にのりがついて閉じてあるものを「天のり」といいます。
製版
印刷とは、印刷用語辞典では「印刷版を作り、その版面にインキをつけ、紙・フィルム・布その他に転写して多数の複製を作ること」とあります。
通常「版」(または刷版ともいう)は、その印刷をするための部品と言えます。
印刷方式に応じて、さまざまな版(板)があり、その形状から凸版方式・平版方式・凹版方式・孔版方式に分類されます。よく紙印刷に使用されるオフセット印刷は、版にインキを付けて大量に印刷する有版方式ですが、電子写真(コピー機による印刷)やインクジェットプリンターは、版が無くデータからそのまま印刷されるので、無版方式と呼ばれます。
製版とは、印刷用のデザインデータを編集し、刷版を作製する工程をいいます。
2016年7月4日
必要にせまられてインデザインを初めて使うにあたって、学校などで習ったことの無い方はまず市販されているガイドブックなどを手にとることと思います。色々な会社からガイドブックが出ていてどれがいいのかわからない。用語もさっぱりわからない、そもそも何をするためのソフトなのかもわからない。アドビイラストレーターじゃダメなのか?なんて疑問まで出てくるかもしれません。初めてソフトを使った時の苦労を少しでも軽減できればと思いこのコンテンツを始めてみました。超初心者向けですので、少しでも経験のある方は簡単すぎるかもしれません。初心者がとりあえず形になる事を目指すものですので予めご了承ください。
インデザインとはアドビのソフトです。DTPで使用するソフトです。
DTPとは(Desktop Publishing Softwareの略)文章や写真、図版などを組み合わせて印刷物のページ原稿を作成するソフトを「DTPソフト」と呼びます。
主に画像や図形編集などのソフトと組み合わせてDTPの作業を行うものを言います。インデザインはアドビイラストレーターと似たような機能がありますが、インデザインはページ数の多い冊子や本などの編集向けのソフトです。
例えば、ノンブル(頁)などは手動でつけてしまうと各ページ違う場所にページがついていたりすると見た目が非常に悪くなります。インデザインは設定してしまえば必ずそこの位置にくるように設定できます。後から変えることもできます。何より便利なのはマスターページ(基本のページ)にノンブル(頁)作ってしまえば何百ページあろうがマスターページを修正してしまえば全て変わってくれるという便利な機能があります。(マスターページについては後ほど説明していきたいと思います。)
イラストレーターでもページ編集はできますが、大量のページがあるものには向きません。修正がある度にひとつひとつ直していかなければならないからです。
ページ数の多いものはインデザインを使った方が後の修正がラクになります。最初は
設定(ページの組み立て)をしなければならないので面倒だと思うかもしれませんが、後の修正が楽になるのでページの多いものはインデザインをおすすめします。
最初に作業に取りかかる前に、インデザインを含めイラストレーター、フォトショップもそうですが、印刷することを最初に考えて色設定をしておきましょう。
色の表現方法でCMYKとRGBというのが出てきます。ここはCMYKを選んでください。なぜか、CMYKとRGBの色の表現の仕方が違うからです。
CMYKは印刷ににおいてプロセスカラーとよばれC : シアン(青 Cyan) M :マゼンタ (赤 Magenta) Y : イエロー(黄 Yellow) K : ブラック(黒 BlacK) の網点で表現されます。
ブラックが何故Kで表現されるのかというのは諸説ありますが、ブルーと間違うからKとしたと言われています。日本では黒のKとも言われていますがこれは間違いだそうです。覚えやすいので「黒のK」と認識していいのかもしれません。
なぜCMYKでなくてはならないのか。「RGBの方がキレイじゃん」と思った方!要注意です。印刷してびっくり!!全然違う色になって印刷されてしまう場合があるからです。何度もいいますがCMYKとRGBの色の表現の仕方が違うからです。
RGBはデジカメなどで撮影されている、あるいはPCのディスプレイに表現される色でライト発光(それ自体が光る方法)を利用して色を表現(加法混合)がRGB形式で、印刷物でインク(色素)による光の吸収(反射して見える方法)を利用して色を表現している(減法混合)。CMYKは全部重ねると黒になります。(絵の具を全部混ぜると黒っぽい色になりますよね。)画面と紙とでは発色の原理が全く違うからです。
RGBとは、赤 (Red)、緑(Green)、青(Blue) の三つの原色混ぜて幅広い色を再現する一種です。光の三原色といいますね。ブラウン管や液晶ディスプレイ、デジタルカメラなどで画像再現に使われています。この3色を混ぜると白になります。
「3色を混ぜると白???」と言われてもと疑問を持ってしまいますね。
何故RGBは重なると白になるのか。光の色です。太陽を直接見ようとしてもまぶしくて真っ白にみえませんか?(危ないので試さないでください!!)何も見えなくなりますよね。これを白と表現したのです。そしてこの光の3原色の色の表現幅が広い。CMYKの倍以上の表現が可能なのです。表現幅が広いのでCMYKとの誤差が現れてくるのです。
プリンターや印刷機はRGBで作られていても色を似たような色に置き換えて印刷しますが、表現できない色があった場合全然違う色になってしまうのはこのためです。どんなに調整してもインクに無い色は表現できないのです。
トラブルを避けるためにも、色の設定はCMYKにしましょう。